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布川事件の桜井昌治さんを迎えて

11年09月8日 yoshioka

冤罪事件として大きな注目を集めた「布川事件」。杉山さんと桜井さんは、無期懲役の判決のもと、29年間刑務所に服役し、その後出所。出所後、再番のやり直しを求めて、やっと再審無罪判決が確定。

その桜井さんを日本国民救援会岡山県本部と岡山支部が迎えて、9月4日の日曜日、岡山労働事業会館(旧労金ビル)で「報告会」を開催。参加者は約100人。人権連からも参加して事件の内容や警察・検察・留置場・刑務所での生々しい状況なども聞くことができました。

桜井さんは、報告の中で、29年間の刑務所暮らしや国民救援会との出会い、冤罪というものが本当にあると自身の事件を通して痛感したことなどや、若き日の自分自身の生活態度なども振り返り、「いいかげんな生き方をしてきた自分自身をかえさせてくれたのはこの事件だっと思う」と述べ、「無罪判決が出るまでの長い時間は無駄ではなかった。人間的に自分は変わることができた」「この間の出来事を振り返ってみて、不運ではあったが、けして不幸ではなかった」と報告を結びました。

講演後、岡山駅前に会場を移動し、桜井さんを囲む会が行われました。

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冤罪「布川事件」43年目にして無罪判決

11年05月24日 yoshioka

1967年、茨城県利根川布川でおきた殺人事件(布川事件)で逮捕起訴され「無実」を叫び続けた桜井昌司と杉山卓男さん(1996年仮釈放)。昨年7月からはじまった再審の判決が5月24日、最初に審理を担当した水戸地裁土浦支部であり、神田大助裁判長は、二人に「無罪」を言い渡した。

神田裁判長は、判決理由の中で、「一貫した無罪の主張と被害者宅から採取された指紋や毛髪に二人のものは含まれていなかった。大枠の事実から二人が犯行にかかわった客観的事実はない」と述べ、足利事件につづく7件目の無罪判決となった。

冤罪事件として早くから国民救援会等でも支援事件として取組まれたこの事件に一定の結論が出たことになるが、誤った逮捕により自由を拘束された43年という年月はあまりに長い。

再審判決を受け、弁護側は、「この事件は、二人の自白と目撃者証言の信用性が争点となった」と述べ、捜査段階での二人の自白は現場の状況と矛盾し自白は誘導にほかならず、目撃証言も変遷したのは「検察に迎合したもの」と主張。再審公判で弁護側は、目撃者証言として『杉山さんとは別人』とする証言を引き出した。検察側は「自白の重要な部分は一貫して迫真性があり、DNA鑑定を請求する」と主張したが、裁判長から「鑑定実施の前提条件に欠ける」と却下された。これを受けて、岡山では国民救援会岡山県本部が明日5月26日。岡山駅前で同事件の宣伝を行う予定。

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「仙台・北稜クリニック筋弛緩剤えん罪事件」報告学習、岡山・倉敷・津山で111名

10年04月13日 yoshioka

守大助さん2000年~2001年に宮城県仙台市で起きたとされる「仙台・北稜クリニック事件」。いまは、名称も地元宮城県の守る会での事件名称が「筋弛緩剤えん罪事件」といういいまわしになったことから、少しながいですが、「仙台・北稜クリニック筋弛緩剤えん罪事件」という呼び方に変わってきています。犯人とされた守大助さんは無実を訴えながら、10年にわたって千葉刑務所に無期懲役刑で収監されたままです。息子の無実を訴え、いま全国各地をご両親がまわっています。そのような中で、国民救援会岡山県本部と支援する岡山の会では、岡山にもぜひ来てもらおうと宮城県の守る会へ呼びかけ5月2日に倉敷市40人、3日岡山市36人、4日津山市35人が集まって報告学習会を開催しました。

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明日行われるもう一つの投票・最高裁判所裁判官に対する国民審査

09年08月29日 yoshioka

いよいよ明日、衆議院選挙の投票日。国民の関心は新しい政権が私たちに何を約束し実行するのか注視することになるだろう。同時に明日の投票では、政党・議員を選ぶだけでなく、もう一つの重要な投票が行われる。最高裁判所の判事である裁判官を信任するのかしないのかを選ぶ国民審査だ。最高裁判所の判事(裁判官)は、東京高裁が名簿を作成し、内閣総理大臣が任命することになっている。

これまで148人の判事(裁判官)がこの国民審査の対象となったものの全員が信任された。裁判といえば5月21日からはじまった裁判員制度に注目が集まったが、足利事件のようにいまも冤罪(えんざい・無実の罪)で獄中に閉じ込められたり、死刑になったりしている事実はテレビやラジオ、新聞で大きく取上げられていないのが実情だ。

国民の多くが警察・検察・裁判所は常に正しい判断をしてくれるとただ漠然と感じている人も多いだろう。しかし、現実には冤罪が生まれている。これまで148人の最高裁判所の裁判官が信任されたが、投票方法に問題があるとの指摘もある。信任しない裁判官に×をつけろ、といってもその裁判官がどんな事件・裁判にかかわり、どんな判断を下したのかが明記されておらず、国民の多くは判断裁量をもたないまま国民審査をしなくてはならないのが実情。

さらに1審(地裁)より2審(高裁)、2審より3審(最高裁)と上級裁判所にいくほど、裁判では証拠調べや証人尋問などが改めてされないケースがほとんど。つまり上級裁判所はそれまでの判決と調書を机上で審理して判決を下すというやり方を踏襲し、新たな証拠を検討しようとしないのだ。足利事件の場合は、科学捜査として導入されたDNA鑑定の精度がより向上したもとで、誰が鑑定しても犯人と菅家さんのDNA型が「一致しない」ことが明らかになったから、最高裁も最高検察庁もなぜ菅家さんを犯人と認定したのかを審理しないまま、くさいものに蓋をするように事件の審理を打ち切ったのである。菅家さんも家族も支援者もこのようなあり方に納得していない。裁判にたずさわる者は、あたりまえのことだが真実を探求し、その真実から目をそむけてはならない。

明日の最高裁判所の裁判官に対する国民審査は、これからの司法制度を考える上で大変重要な審査(投票)になるだろう。

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「飯塚事件」によせて

09年08月11日 yoshioka

足利事件の菅家さんは当時のDNA鑑定によって逮捕され無期懲役囚となったが、そのDNA鑑定が今日の鑑定結果とまったく異なっていたことが証明されて晴れて無罪となったことで、世間一般にそれまで科学的に正確無比と思われていた一時代前のDNA鑑定・科学捜査に疑問の目が集中しはじめた。そんなとき、菅家さんと同じ頃、1992年2月20日、福岡県飯塚市で起きた小学女子児童2人の殺害事件、いわゆる飯塚事件で久間三千年さんは冤罪を叫び続けたまま2008年10月28日、福岡で死刑が執行された。この事件については、8月9日に放映された「ザ・スクープ」でも取上げられいま多くの人たちが、彼は本当に犯人だったのかと疑いの目で司法当局を見ている。菅家さんもこの死刑執行には疑問を持たざるを得ないとコメントを発表している。 続きを読む »

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