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町特産の木材を使った仮設住宅の記事に

11年05月30日 yoshioka

新婦人しんぶんの5月26日号トップを飾った記事には、「復興・再生への道」と題して見出しには「木のぬくもり、低コスト、雇用も」「地場産材で仮設住宅」とあり、早速読んでみました。記事と一緒に笑顔で語る被災者の夫婦と笑顔で働く女性たちの姿が数枚の写真が。

この記事を読んで、記事の中にもありましたが、まずは仮設住宅の材料に国内にふんだんにある木材を活用することと、仮設住宅だけでなく、今後全国的に必要とされる公営住宅そのものの建て替えや新たな建設につなげることができる一つの指標となったのでは、といった感じです。

取り上げられていたのは、津波被害の大きかった岩手県陸前高田市、大船渡市と隣接する岩手県の「住田町」。ここは9割が森林で、町が先人達がまもってきた林業を町の地場産業として発展させているのが特徴の町。

住田町には仮設住宅が63戸建つ予定。5月末の入居に向けて急ピッチで作業が続いているが、住田町では国や県の仮設住宅の設置基準も補助制度なども待っていられず、近隣の市町村が困っているのに待っていられないと着工に着手。それを助けようと国内外の賛助者が現れ、賛同者の志を大切にしたいと国の支援を断ったという。住田町の多田町長は、「こうしたことに賛同してくれる人たちや企業をもっとふやしたい」とも。

木材施設では、地元の人たちと一緒に仮設住宅に入居の決まった被災者自身も働く。雇用が確立しているのである。仮設住宅が必要とされなくなったあとも、再生して使用することのできるやさしい住宅として木材のよさがいま改めて見直される時代に入っているのではないだろうか。日本列島は自然豊かな山岳地帯に多くの木材資源が生育している。限界集落問題ともあわせて、一時的な動きではなく、永続的な資源の活用を模索していく上で、岩手県住吉町の取り組みは大いに参考になるのではないか。

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冤罪「布川事件」43年目にして無罪判決

11年05月24日 yoshioka

1967年、茨城県利根川布川でおきた殺人事件(布川事件)で逮捕起訴され「無実」を叫び続けた桜井昌司と杉山卓男さん(1996年仮釈放)。昨年7月からはじまった再審の判決が5月24日、最初に審理を担当した水戸地裁土浦支部であり、神田大助裁判長は、二人に「無罪」を言い渡した。

神田裁判長は、判決理由の中で、「一貫した無罪の主張と被害者宅から採取された指紋や毛髪に二人のものは含まれていなかった。大枠の事実から二人が犯行にかかわった客観的事実はない」と述べ、足利事件につづく7件目の無罪判決となった。

冤罪事件として早くから国民救援会等でも支援事件として取組まれたこの事件に一定の結論が出たことになるが、誤った逮捕により自由を拘束された43年という年月はあまりに長い。

再審判決を受け、弁護側は、「この事件は、二人の自白と目撃者証言の信用性が争点となった」と述べ、捜査段階での二人の自白は現場の状況と矛盾し自白は誘導にほかならず、目撃証言も変遷したのは「検察に迎合したもの」と主張。再審公判で弁護側は、目撃者証言として『杉山さんとは別人』とする証言を引き出した。検察側は「自白の重要な部分は一貫して迫真性があり、DNA鑑定を請求する」と主張したが、裁判長から「鑑定実施の前提条件に欠ける」と却下された。これを受けて、岡山では国民救援会岡山県本部が明日5月26日。岡山駅前で同事件の宣伝を行う予定。

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第8回県連総会を終えて

11年05月16日 yoshioka

5月15日、岡山県労働福祉事業会館において120人規模で、岡山県地域人権運動連絡協議会(岡山県人権連)の第8回定期総会をもちました。総会には来賓として、岡山県、日本共産党岡山県委員会、県労会議、障岡連の代表が出席し激励の挨拶が行われ、県下の民主的な団体、労働組合、自治体、議会、教育委員会、全国人権連本部と各都府県連などから祝電・メッセージが届きました。

総会では、昨年5月、岡山市内において2日間で2400人の参加で取り組んだ第6回地域人権問題全国研究集会や学習会、懇談会、地域住民対象のまつりや生活相談活動など、多彩な取り組みが報告され、情勢の特徴を含む今年度の活動の重点が提起されました。

その中には、東日本大震災の状況や岡山県人権連としての今後の取り組みなども訴えられ、第8回総会終了後、同会場で会員や趣旨に賛同してくれた多くの方々から寄せられた「物品」を支援バザーとして販売しました。岡山県連では総会前に行われた常任幹事会と幹事会で、緊急支援募金を百万円と設定し、会員みんなへ訴え、総会でのバザー売上と併せて、5月16日まとめで、これまでに446,300円が寄せられました。

募金はこれまでに2度にわたって全国人権連中央本部へ送られ、全国から寄せられた義援金とまとめて、被災地の自治体へ直接送られ喜ばれています。県連では総会の日に寄せられた募金とバザー売上の総額を併せて、3回目の送金を行います。

全国各地で取り組まれている様々な募金活動によって、日赤などを通じて一説には2000億円程度の心のこもった義援金が集まったと言われている中、その義援金がいまだに被災者の手元に届けられていないという話に胸がつまる思いやなぜなのかという思いをしている方々が多いことと思います。被災地では仮設住宅への入居もはじまろうとしています。でも手元に現金がなく、仕事もなくたちまち日々の収入がない状況だと言われています。

復興へ向けた取り組みを本格化させるためには、まず義援金を早急に被災者へ届け、仕事を失った人たちへ仕事をつくり、一定の収入を保障していくことが第1歩ではないでしょうか。

3年前に中国四川省で起きた巨大地震では9万人が亡くなった伝えられています。この3年間で四川省では、国の支援を含めて地元住民がみんなで、自分たちの住む新しいまちづくりに向けてレンガをつくって自分たちの手で500万戸の住宅を整備し、住民自らの意見に基づいたまちづくりになったとのことです。これは世界的にみて脅威のスピードだということです。ちなみに今回の東日本大震災で予定されている仮設住宅は10万戸だといわれています。

学者・研究者は中国四川省の復興に向けた様々な教訓を大いに活かすべきだといいます。仕事を失い、家族を失い、家を失った人たちがコミュニティの枠を超えて、くじ引きなどで仮設住宅でバラバラに生活していくことのないよう、また、仕事をつくることを通じて、生きることへの希望を失わず精神の安定を得、生活のもとになる収入を得る取り組みが同時に行われたことだと思われます。福島原発問題はあるものの、全体として中国四川省地震や阪神淡路大震災での教訓が今回の東日本大震災へ活かされることを願ってやみません。

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