23年10月30日 yoshioka
10月27日、岡山県庁分庁舎(旧三光荘)で、2023年度の県との話し合いが行われました。以下は話し合いの概略です。
交渉団を代表して、中島純男県人権連議長は、「インボイスや社会保障、世界情勢を含めて不安が多い中で権利が人権としていきるように本日も実のなる話し合いにしたい」とあいさつ。県を代表して浮田県民生活部長は、「人権と民主主義が重要であり、色々な人権課題がある中で、本日も忌憚のない話し合いになればと思っています」とあいさつしました。
前半は、安田人権・男女共同参画課長が知事部局対応の11の重点項目に関する文書回答を読み上げた後、やり取りが行われました。
第6次岡山県人権政策推進指針に向けた見直しに関する課題について、交渉団から「指針は最初の策定から20年以上が経過している中で何がかわったのか」と再質問。これに対して、安田課長は「行政の中でもユニバーサルデザイン取り入れられてきた。審議会でも考えてもらえるようにしたい」と回答。また、各種団体からの意連聴取は、本日もご意見も覗う機会だと思っている」と述べ特別に意見を聞く機会はもたないと回答。
新型コロナウイルス関係では、10月から病院への補助金も減額され、来年4月からなにもなくなる」との指摘に、県は「皆さんのご意見や岡山の状況は全国知事会を通じて国へ伝えたい」と回答。
国保にかかわって、県は「減免は市町村の判断。国に国庫負担率の引き上げを求めている」と回答。介護従事者への賃金改善では、交渉団から「介護従事者と併せて事業者への支援も必要で事業所が続けられず閉鎖するところもある。県として実態はつかんでいるのか」と質問。県は「県毎のデータは公表されていない」と回答。
精神障害者を県心身障害者医療費制度の対象にという要求に関して、県は「医療費助成の導入に向けた検討を行うことしている」と回答。交渉団から「早期に実施してほしい」と強く要請しました。
県営住宅に関して、県は「生活困難な状態になったら家賃の見直しをしている」と回答。
県立学校の女子トイレに生理用品を常備してほしいとの要求に対して、県は「現在、各学校の判断で保健室やトイレに置いてある。学校の予算で買えることになっている」と回答。
教育委員会関係では、「給付型奨学金の拡充について国に要望している」と回答。小中学校の給食費無償化については、県・県教委は「私立学校については物価高騰の補助は進めている」「市町村には国の重点交付金を活用して無償化できると情報提供している」と回答。高校のタブレット購入費等教育費補助に関しては、県・県教委は「全国で半分の県が整備していることは承知している。貸出用タブレットは0.2%しか活用されていない」と回答。自衛隊による家庭訪問については、県教委は「11名30件で特に問題が生じたとの学校からの回答はない」と回答。交渉団は本来自衛隊だけ特別扱いすることは間違っていると指摘。
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23年10月15日 yoshioka
新型コロナウイルス感染拡大により見送られてきた全国人権連主催の第16回地域人権問題全国研究集会が10月12日、13日の両日、名古屋市で開催されました。4年ぶりの開催。12日の全体集会は、豊臣秀吉の生誕地である中村公園内の中村小劇場ホールに450人が参加して、丹羽徹龍谷大学教授の記念講演等が行われました。
主催者を代表して、吉村駿一代表委員は、「水平社宣言から100年、逆流はあるものの社会問題としての部落問題は解決の段階に至りました。いま岸田内閣は憲法改悪と最大の人権侵害である戦争する国づくりを進めていますが、『人の世に熱あれ、人間に光あれ』の叫びは100年を経て悪政のもとでもなお、生命力を発揮しています」と挨拶。
全体会では、記念講演の前に特別報告として、丹波正史代表委員が「愛知県水平社の意義と教訓」と題して、全国的視点からの教訓と愛知県の課題等について報告しました。
基調報告では、新井直樹事務局長が「部落問題をめぐる諸課題」として、「包括的差別禁止法」「部落差別解消法」と教育・啓発、大阪府の人権意識調査の分析等を報告しました。
丹羽徹龍谷大学教授が「民主主義の成熟、平穏に生活する権利、表現の自由をめぐって」と題して記念講演を行いました。講師は、この3つのテーマはいずれもある種の「危機」的状況にあると述べ、日本の民主主義をめぐる状況に大きくかかわっていると指摘し、平穏な生活を送るとは、「人間らしく生きる」上で、平和的生存権の対極にあるのが、戦争であり、暴力であり、貧困であると事例を挙げながら解説しました。その上で、プライバシー(人格)権を脅かすものとして、権力の私生活への介入はいま問題となっている「マイナンバー」制度の義務化等があると指摘。民主主義との関係では、多数決が民主主義だと誤解している人がいるが、様々な意見をたたかわせることによってよりよい解決策を見出すことがより重要だと強調。政治が憲法を語らず、政策決定の理由も語らない、国民に説明しない状況であり、民主主義の危機だと問題提起を行いました。
表現の自由は民主主義に不可欠だが、部落地名裁判で東京高裁判決は「差別されない権利」を認めたが、権力による統制(規制判断)は個別具体的でなければならないと指摘しました。
民主主義は、言論活動によって鍛えられるものであり、みんなで決める過程こそがそれにあると述べ、いま日本はアメリカ軍と一緒に「台湾有事」等を想定して国内の自衛隊基地等を強化している。日本そのものが戦場になるかも知れないとの想定であり、平和が危機にあると講演を締めくくりました。
記念講演後には、外国人高齢者と介護の橋渡しプロジェクト代表の木下貴雄(王榮)さんが「日本の多文化共生を問う」と題して、在住外国人高齢者が要介護状態になった場合、言葉や慣習などの点で様々な壁があることなどを報告。国籍を問わず日本でともに生きる在日外国人の多くがこうした問題に直面している実態を知ってほしいし、一緒に考えほしいと報告しました。
全体会の最後に中島純男代表委員(岡山県連議長)は、「憲法を政治に活かし市民的連帯のもとで本日の集会と明日の分科会を通じて大いに学びましょう」と閉会の挨拶を行いました。
2日目は3つのテーマ別分科会が行われました。
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