高知県自然エネルギーのまち「梼原町」
11年12月13日 yoshioka
3・11東日本大震災、東京電力福島第1原発事故以降、全国的に「脱原発」「自然エネルギー」への転換が大きな話題になっています。そうした中で、3・11以前から新聞やマスコミなどでも高知県梼原町の自治体が中心となった高知県の四万十川の源流に位置する梼原町。町の面積のうち90%が山林だといいます。「太陽光」「風力」「小水力」などによる発電施設の直接運営とともに、町内の木材をふんだんに使用した町役場、宿泊機能とフランス風「マルシェ(市場的ストア)」を合体させた施設などユニークな自治体運営の静かな山間のまち、「ゆすはら」に昨日12月11日、行ってきました。岡山から片道約240キロの行程。
高知道を走行中に左手の山の尾根に風車がたくさん。よく回っていました。それを見て、あそこが「ゆすはら」かと思いこみ、ナビもそちらの方向に行くように指示してきます。どんどん行くといつの間にかたくさんの風車が見えた山を越えて、まだまだ先があるようです。ついたところは、風車とは全然別のところ。竜馬脱藩の文字もみえます。
説明してくれた人の話でようやくわかったのは、たくさんの風車があったのは、手前の町で、梼原町には現在風力発電は2基。1基1億円するということも。発電場所は役場から遠く山の上、今回行くことはできませんでしたが、たまたま行った日の日直が新エネルギー関連の課で実務をしている職員さんで、その方から説明をうかがうことができたのは幸運でした。
それによると、風力発電2基。小水力発電1基。町の世帯数1800戸、そのうち109戸(6%))で屋根に太陽光パネルを設置しているとか。発電1kw当たり20万円の補助、最高80万円まで。その他にもエネルギー政策として、太陽熱温水器、エコキュート、ペレットストーブ、ペアガラス設置、家庭用小水力発電なども町の補助対象にしているとのことでした。まだ政策としてはじまったばかりだということですが、やはり他の町とはちがうことが実感された視察でした。
梼原町の役場や公共施設の屋根にも勿論太陽光パネルが設置されていて、全体で年によって違うものの四国電力へ余分な電力を売って収益となっているのは、4~5000万円だということでした。役場や学校の電力、街灯は自前の電力でカバーしているというから、やればできるものだと実感。視察申し込みはすごい数でした。
梼原町は、こうした新エネルギー政策や独自のコンセプトで歴史的遺産とドッキングさせたまちづくりをすすめているようです。まちにはゴミも落ちていません。山間の小さな町、「ゆすはら」。今回の視察は、脱原発「イレブンアクション」の12月企画ということで人権連から私も参加しましたが、行ってよかったと感じる視察でした。
最後は、竜馬脱藩の道を祈念してつくられた6士と竜馬像の前で集合写真。竜馬像は右3体の真ん中。一番奥に1体だけ見守るように設置されているのは、梼原の高校敷地内に当時の家が残る「掛橋」氏の像。財政的に竜馬たちを支えた人物。