3・1ビキニ集会がひらかれる
17年03月2日 yoshioka
米国によるマーシャル諸島ビキニ環礁での水爆実験で被爆した静岡県焼津市のマグロ漁船『第五福竜丸』の被災から63年となる3月1日、日本原水協など実行委員会が「3・1ビキニデー集会」を焼津市で開催。海外をはじめ全国各地から1,700人が参加。
集会前には、最初の犠牲者となった第五福竜丸無線長・故久保山愛吉さんの献花墓参平和行進が行われ、1,400人が参加し、核兵器禁止条約実現を誓いました。
集会の主催者報告で赤井純治氏(新潟大学名誉教授)が、「今年は核兵器禁止条約制定の歴史的チャンスであるが、トランプ大統領の核軍備強化政策の危険が高まっている」と述べ、それでも私たちには、ヒバクシャの訴える国際署名という最強の手段があるとして、「ビキニ事件を契機に原水爆禁止運動が全国各地で沸き起こった時のように、初心に戻り圧倒的に国民に広げる事が必要だ」と署名の重要性を強調しました。
また「ビキニ事件を語る」コーナーでは、第五福竜丸元乗組員の大石又七さん、池田正穂が登壇し、大石さんは「多くの乗組員が他界し、仲間の無念を晴らすために、最後まで訴える」と声を絞りながら語りました。
原水協は1月に42回の原水爆実験がおこなわれたマーシャル諸島エニウェトク諸島へ代表団を派遣。島民への聞き取りや健康調査など心を寄せる支援連帯の活動を報告。「核はすべてを破壊し、核の被害は永久と言っていいほど長く続くことを痛感した。米軍の除染も十分ではない」と怒りをあらわにしました。
高知ビキニ国家賠償訴訟団・梶原守光弁護士は、厚生労働省が60年間隠してきたビキニ被災資料を開示したことで、日米両政府が被爆の事実を意図的に隠ぺいした国家的犯罪だとして、訴訟支援を呼びかけました。
集会には焼津市長も来賓として出席。「核兵器のない世界は私たちの共通の願いです」と連帯のあいさつ。広島市長・長崎市長からもメッセージが寄せられ、代読されました。
前日2月28日には、静岡市で原水協が全国集会を開き約800人が参加。基調報告では安井正和事務局長が核兵器禁止条約制定の交渉会議が「史上最も残虐で破壊的な兵器を廃絶する道が開かれる」と意義を強調。マーシャル諸島ロンゲラップ島からも海外代表が登壇し、条約実現に向けて連帯を呼びかけました。
この日はビキニ事件を学ぶ入門編や、被爆の実相普及、国民平和大行進と非核平和の自治体つくりなど、6分科会が行われました。(寄稿/中島正智)