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岡山県自治体交流学習会で映画「八鹿高校事件」を鑑賞

14年07月16日 yoshioka

7月15日、岡山市建部町文化センターで開催した本年度「人権の伸長をめざす自治体交流学習会」には、県下各地の自治体関係者、教育関係者、人権連役員など約70人が参加しました。

この交流学習会は毎年開催していますが、今年11月が兵庫県立八鹿高校で教育史上例を見ない部落解放同盟・共闘会議による「八鹿高校事件」が発生してから40周年にあたることから、岡山でもあらためてこの事件の中身や何が起こったのか検証しようということで映画「八鹿高校事件」(ようかこうこうじけん)をみんなで鑑賞し、その後、人権連から40分程度集会の基調となる「報告とお願い」を行いました。

「八鹿高校事件」は、インターネットでも様々な角度から取り上げられていますが、概略は県立八鹿高校に部落解放同盟の意向を受けた生徒たちが以前からあった「八鹿高校部落問題研究会(高校部落研)」という部活を無視する形で、別に「解放研」をつくることを認めるのは間違いだと反対。部落解放同盟は教頭を呼び出し「確認会」に切り替えてつくることを認めさせ、これを校長が追認したものの、教職員組合が特定の外部運動団体である部落解放同盟の意向にそって、既に存在している「部落研」を無視してつくことは間違っていると反対したため、11月22日、身の危険を感じて生徒たちに帰宅するようにホームルームで話した後、教職員約68人が集団で下校、そこを部落解放同盟員が大挙して襲撃し暴行を加えた上で強制的に教師を引きづって八鹿高校に連れ帰り、その後13時間にわたって拉致・監禁・暴行のかぎりを加えた前代未聞の事件。この事件には当時の県警本部長あがりの兵庫県知事や県教育長、町長、教育長、教頭、校長などが部落解放同盟と一体となってかかわっていたことから、警察権力が「見て見ぬふり」を決め込み、八鹿警察署に先生たちの助けを求めた八鹿高校の生徒の代表は「早く帰れといわんばかりに」無視されたと証言。

生徒たち1000人が河川敷に集結し周りを取り巻く部落解放同盟員たちに向けて「帰れ、先生を返せ」と何度も解放同盟の宣伝車のマイクをとって訴え続けたと、町の人たちが証言。この事件は最終的に刑事裁判と民事裁判でも部落解放同盟側被告13人全員の有罪と賠償金3000万円を支払うようにということで最高裁で判決が確定。

この事件が発生するマナから、兵庫県北部の八鹿町周辺では、同和地区住民であっても部落解放同盟の意に従わない者には同和対策事業は受けさせないという、いわゆる同和対策事業の「窓口一本化」を部落解放同盟の町自治体への暴力的糾弾で屈服させ、はむかうことを許さないとする異常な空気が支配していました。「八鹿高校事件」で使用された街宣車や行動費などの経費は、すべて各自治体から支出されていたことも判明済みです。

映画「八鹿高校事件」は、それらを当時の高校生や、事件を目の当たりにした町の人たちの証言や当時の貴重な写真・音声・フィルムなどで構成したドキュメンタリー記録映画です。

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映画「橋のない川」第1部を久しぶりに鑑賞

14年07月7日 yoshioka

毎月、民主会館で開催している「若者と学ぶ部落問題解決の道筋」学習会を7月5日に行いました。この日は、今井正監督作品の映画「橋のない川」第1部を鑑賞しました。この映画は、住井すえさん原作「橋のない川」を映像化したもので、1部と2部という構成になっています。今は亡き名優たちの演技もみごとで、あらためて昔ね学校の体育館で見た当時の事を思い出しました。明治・大正時代における部落問題の実態や人々の営み、人と人のつながりや生きることの意味なども随所にちりばめられた作品だとあらためて感じました。

私たち岡山県人権連は、その前身である全解連やそのまた前身である正常化連、旧部落解放同盟統一時代、そして戦前の全国水平社の時代から部落問題解決のために長年にわたって取り組んできました。私たち運動団体側だけでなく、行政、議会、教育の歩み、国民全体の理解と支援のなかで、一部に様々な問題やいまも特別な行政を続けようとする自治体や教育がみられるものの、全国的視点に立ってみたとき、社会問題としての部落問題は基本的に解決したといえる時代を迎えました。

こうした運動の歴史の中でこの映画の上映運動をめぐって様々なトラブルもありました。それらのことも思い起こしながらの今回の映画「橋のない川」の鑑賞でした。

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香川県に「うどん発電」を視察にいきました

14年05月22日 yoshioka

ちよだ製作所で説明を受けているところ香川県といえば「讃岐うどん」、県も「うどん県」として全国にPRするなどしていますが、中四国で讃岐うどんのことをしらない人はいないでしょうが、「うどん」と発電という関係は、そんなに知らないのではないかと思います。

私も美味しい讃岐うどんのことは知っていたし、若いころ、製麺所などを若いころから訪ねて食べ歩きしていたこともあります。がしかし、「うどん」で発電などは知りませんでした。

今回の視察先は「ちよだ製作所」という会社で、従業員は30人で本業は、トンネル工事等で壁面に水漏れ防止のシールを施工する機械などをつくる会社で、出迎えて下さった従業員の方々は皆さんにこやかで、元気が良くて、いい会社だという印象をもちました。

「うどん発電」というのは昨年から試験的にはじめたということでしたが、10年前から食品などを発酵させて発電することはしていたということでした。「うどん発電」はNPOなども含めて、うどん屋さんで食べ残しとして出たものを回収してやってみようということだそうです。

「ちよだ製作所」では、1億円かけて発電プラントをつくり、バイオエタノールの生成やメタンガスを発生させてそれを発電に使用し、最終的な残りかすから液体肥料をつくり、水耕栽培や農家に使ってもらっているとのことでした。初期投資の1億円はランニングコストをいれて7~8年で回収できることや、一般家庭に換算すると年間約400~500世帯分をまかなうことができるようです。

あまり大企業が手を出す分野ではないようですが、魅力ある取り組みだと感じました。また、食品廃棄物で河川が汚れていくことも防ぐことができ、最終的に発生する「もの」が液体肥料とか固形肥料というかたちで、農地に再循環させることができというのも本当に魅力です。

真庭市等も3回くらいこの会社を訪問しているようです。多くは企業ということでしたが、メタン発生とか食品発酵という点からすると、養豚業者などにもすぐに生かせる仕組みだと感じ、質問したら「正解」でした。鶏糞にはむかないようですが、やり方次第では、おもしろいことになるのではという気がしました。

視察を終えて、やはり栗林公園にバスをとめて、近くの商店街にあったうどん屋さんに行って、「中うどんとアジフライ」を注文して、美味しくいただきました。かなりの量ありましたが、これで320円。岡山だったら??。

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安倍首相「集団的自衛権」行使で”限定的”"戦争する国にならない”

14年05月16日 yoshioka

昨日の安倍首相の私的諮問機関である「安保法制懇」の結論ありきの「報告書」を受けて行われた記者会見をどうみたか。各放送局では街ゆく人たちの声を集めていたが、やはり最も多いのは、批判、疑念に満ちた声だった。

そもそも安倍氏の母方の祖父、岸信介元首相が求めて成しえなかった、「戦後レジームからの脱却」という時代錯誤的で歴史修正主義的な「戦前回帰」をもくろむ亡霊とも呼ぶべき妄想に安倍氏が固執していることからはじまったのだが、被害をこうむるのは私たち国民だという点をしっかりとみておかなければならない。

いまでは自然で当たり前のように思われている「主権在民」「基本的人権」「民主主義」「思想信条・表現の自由」「平等」「平和」という私たち日本国民の生活と権利は、すべて現在の日本国憲法によって保障・確立されてきたものである。「自民党憲法改正草案」に示されているのは戦前の明治憲法(天皇主権・国民は「臣民」と呼ばれ、民主主義とか基本的人権の尊重という価値観はない)を彷彿とさせる「シロモノ」であるが、安倍氏とそれに同調する勢力は、一気に憲法9条を空洞化させようと「国家安全保障会議の設置」「特定秘密保護法」に続いて、憲法解釈をねじまげてでも閣議決定で「集団的自衛権行使容認」を無理強いしようとしている。

国民との約束を反故にした民主党政権への失望が自民党の大勝といまの第2次安倍政権を生み出した。「おともだち内閣」と揶揄されるだけに副総理で財務大臣の麻生氏も「ナチス発言」などで大ひんしゅくをかったことは記憶に新しいところだが、あとの大臣たちや石破自民党幹事長も様々な発言で、安倍・麻生氏と似たり寄ったりの認識の持ち主であることが明らか。

単に政権についた時の「内閣」の判断で、憲法という国の最高法規に関する解釈、しかも「戦争する・しない」という国民全体の生存にかかわる事項をどうにでもできると解釈することは、立憲主義に反する暴挙としか言いようがない。

昨日の記者会見で、安倍氏は、「集団的自衛権」の行使容認に関して、「憲法がいうように戦争する国にはけしてならない」と前置きした上で、「きわめて限定的だから」という表現を用いながらも日本国内とか日本近海とかの「どの範囲のこと」なのかという「地理的」問題について一切触れず、通ってしまえば「地球の裏側でも」という疑念に答えようとしなかった。このことによって歯止めはなにもかからないことを浮き彫りにした。

「国民の意思」を反映させる国政選挙は当分ない中で、この緊急事態に立ち向かうのは、強い反対の意思を示す国民全体の「声」つまり「世論」の結集しかない。すでに中央段階で署名の取り組みが始まっている。

「戦争する国・できる国」に戻してはいけない。

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谺雄二さん、安らかに

14年05月13日 yoshioka

全国人権連発足当時から全国幹事も務められていたハンセン病訴訟原告団の谺雄二さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。

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