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福田首相の賃上げ要請発言と2冊の本について

08年03月6日 yoshioka

 福田首相は今朝のブログで、春闘にあたり経営者は改革の果実を従業員に分け与える必要があると、事実上の賃上げを要求したが、それに応える経営者がいったい何人いるだろうか。バブル期以上と言われているいまの非正規・使い捨てと法人税大幅減税で得たボロモウケが改革の果実というのもおかしな話だ。どう考えても自身の内閣支持率の低下回復と次回の選挙をにらんでのリップサービスとしか受け取れない。「むなしい」。いったい誰がこんな国にしたのか、自分たちの胸に手を当てて考えてほしいものだ。言っていることが本音なら法人税を欧米並みにきちんと徴収して、国民への税負担を是正するだろう。消費税との二重とりが問題となっている使い道が特定されていないのに特定財源といわれているガソリン税も含めて。でも福田さん本人もここまでひどくなるとは思っていなかったのかもしれない。真意の程は?

20080306-1.jpgさて、コーヒーを飲みなおして福田首相のブログ発言とのかかわりで、今日は2冊の本を紹介したいと思う。1冊目の題名は「どうする地域間「不平等」社会」サブタイトルには「島根発地方再生への提言」とある。これはしまね地域自治研究所編として自治体研究社が発刊した本である。本の監修は保母武彦島根大学名誉教授。本書は11章で構成されている。ろこつな地方切捨て政策の実態や地方再生に向け何が課題なのか、社会構造の変化と地方切捨ての背景を分析する一方、地方の反骨精神ある取り組みを紹介している。本書は全国人権連の機関紙「地域と人権」でも先月号で紹介したところです。

★私がこの本を読むにあたり思い出したのが、「抵抗勢力をぶっつぶす」「自民党をぶっこわす」と派手なパフォーマンスに酔った国民的フィーバーで誕生した小泉内閣が唱えた「構造改革」「規制緩和」のことである。小泉改革は、大企業のボロモウケを促進し株価狂奔の時代へと突入させる原動力であった。それはやがて嘘とペテンの「偽装」を蔓延させた。そんな中で、福祉切捨ての「小さな政府」と肉も無く骨だけで薄っぺらな「骨太方針」が家計を地域を直撃。ほんの一握りの大金持ちが富のほとんどすべてを手に入れる代償として、国民の大多数が貧困に喘ぐ世の中が誕生した。日本の今の現状の生みの親は、「新自由主義主義」と呼ばれる経済至上主義とも経済万能主義ともよばる思想(いわゆる拝金主義)と時を同じくしてアメリカ通商代表部の「日本政府への年次改革要望書」の存在。この二つの考え方を日本の財界人や政府官僚・政治家にせっせとロビー活動を展開したのが在日米国商工会議所。米兵の事件も基地の存在もなにも解決しようとしないのがこれまでの政府与党であり今の政府与党の姿でもあるだろう。

20080306-2.jpgこの本の第1章に紹介されていたのが世界遺産となった石見銀山のすぐ近くの温泉津町で、若くして老舗旅館「吉田屋」を再生させるために若女将となった山根多恵さんの講演録(島根保険医協会の会報で紹介していたことをとりあげたもの)であった。
以前から個人的に一度ゆっくり石見地方を訪ねてみたいと思っていたら旅館吉田屋を拠点に活動している人たちがいることが気になり昨年秋頃からブログを拝見しています。週末だけ旅館をしながら地域を元気にするための活動をどんどん展開しているのが吉田屋旅館のブログをみていてよくわかる。彼女の周りに新しい仲間たちができ、取組みも多様化しはじめている。そんな取組みが本になった。それが2冊目に紹介したい本だ。題名はその名も「週末は若女将」メディア・パル発刊。吉田屋旅館ブログはhttp://blog.goo.ne.jp/lets_yoshidayaをクリック。

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