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社会保障と税の一体改革が国会でスタート、消費税増税を許さない闘い!ここが正念場

12年04月23日 yoshioka

野田内閣が「不退転の決意で臨む」と政治生命を賭して、財界の要望に応えるかのごとく、持ち出した「社会保障と税の一体改革」法案がいよいよ国会論戦にかけられたが、国会はいきなり二人の大臣の問題をめぐって「空転」がつづいている。

「社会保障と税の一体改革」法案の中身は、消費税の10%への増税と社会保障の更なる切り捨てを含む、まさに改悪そのものといってもまちがいない代物。

野田総理・岡田副総理は、「今後、年金や医療、福祉など、自然増が見込まれる中で、どうしても安定した財源が必要」だとして、持続可能な年金・社会保障財源につかうから消費税率をアップさせてほしいと繰り返している。

年金・社会保障を持続するために安定した財源としての「消費税」。でも大きな落とし穴に落ちそうな気がしている人が多いのでは。マスコミは、一部を除いて、すでに消費税アップは避けられない既成事実かのように報道し、それを聞いた国民の中にも「閣議決定」ならもう決まった事でしょという声も聞かれる。

国の赤字国債発行額がとんでもない数字になっていて、「このままではギリシャのようになる」などと、平気で嘯く経済アナリストの言動は、まさに御用学者。原発事故のときとまったく同じ構図がみえる。ギリシャ国債は、海外資本がその多くを買っていたから、ヨーロッパ全体の問題にもなったが、日本の国債は、国内の企業や個人が買っているもので、ギリシャ国債と同様に論じることがそもそも間違っている。さらに、日本は、赤字国債発行額も多いが、貯蓄も多く、「赤字」から「貯蓄(米国国際等含む)」を差し引くとマイナスは200兆円前後という試算もでている。

勿論、こうした赤字の背景には、政府がいう「社会保障費が年々増加している」「企業収益が悪化して財源が不足」という理由よりも、むしろ「大企業へのたび重なる減税」と「非正規雇用の野放しで消費が落ち込んだこと」に加え、「消費税の3%から5%へのアップで個人消費が低迷」したことによるもののほうが大きい。

「法人税を安くしないと企業が海外に逃げていく」などと、まことしやかに宣伝する政治家やマスコミも多いが、法人税を10年前の状態へ、いやもっと税率が高かった時点にもどしても、国内の企業は、海外にすべての拠点を移すことは実際にはしない。なぜなら、日本以外の先進諸国のほうが企業の法人税は全体として高いのが実態だからに他ならない。

特にヨーロッパやアメリカ等では、企業に社会的責任を明確に義務付け、国や州へ治める法人税等の税金以外に、企業が何らかの経済的支援をはじめとした社会貢献を民間団体やNPO等と一緒になって行わなくてはならない仕組みになっているからである。大半は、経済的援助であり、環境保全等への貢献もこうした内容のひとつとなっている。

つまり、企業は利益が出た分だけ、税金と社会への直接還元という形で、自分たちの存在価値を高めながら、社会との密接なつながりをもってきたのである。

ところが、近年、この企業と社会とのかかわり合い方によくない変化がみられる。特にアメリカの企業が、日本企業の「正規職員を減らして、非正規職員を多くすることで、生産よりも人件費で利益を出す」方式を取り入れ、雇用形態が悪化。こうしたことが、背景にあってBBC放送等が大きく取り上げた世界同時的な「若者を中心としたデモ」「抗議行動」へと発展した。フランスの大企業や高額所得者は、新聞の一面を買取、「政府は私たちからもっと税金をとれ」といった広告をしたことは、まだ記憶に新しい。

「社会保障と税の一体改革」、その真実の中身をもっと多くの国民に知らせることが重要だし、国民誰もが納得する「税」徴収と使い方(社会への還元)を明らかにさせることが求められているのではないかと思う。

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