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刑事弁護士が語る裁判員裁判(大阪経法大出版部)

10年07月15日 yoshioka

大阪経法大出版部先日、京都で大阪経済法科大学の奥山峰夫教授からこんな本があるので読んでみてと渡された一冊の本。A5サイズ、厚さ1.5センチ、全体249ページのコンパクトな本のタイトルは、「刑事弁護士が語る裁判員裁判」と表題があり、その下に「ナニワの法廷から」とある。大阪経済法科大学出版部、2009年5月21日発行。

発行に至る過程は、1ページ目の「はしがき」にあった。それによると同大学法学部では「地域社会と法」と銘打った講義あり、2008年度のテーマが裁判員制度であると記してある。全国的に裁判員制度がはじまる中で、多くの人々が同制度に関心をもちはじめた頃だ。同大学では、大阪弁護士会所属の刑事事件の裁判を担当する刑事弁護士9名に依頼してリレー形式の講義を4月から7月にかけて実施。この中には、和歌山カレー事件を担当する弁護士も。

リレー形式の講義は大きく4つの点から成り立っていると「はしがき」に記されている。①裁判員制度の紹介と課題、②刑事裁判の手続き、ルール、弁護人の役割、③個別類型的な事件の紹介、④ミニ模擬裁判、これから講義の柱となっているようだ。

冊子は全体で11の章立てとなっている。第1章「刑事弁護人の仕事」では光市の母子殺害事件や和歌山カレー事件、志布志事件富山氷見事件などを通して仕事の内容を紹介。第2章「大阪地裁所長オヤジ狩り事件」、第3章「刑事手続の流れと軽仁弁護人の心構え」、第4章「裁判員制度と取調べの可視化」、第5章「死刑事件」、第6章「もし外国で逮捕されたら」、第7章「交通犯罪」、第8章「少年事件」、第9章「犯罪被害者と刑事裁判」、第10章「公正な裁判と事件報道におけるマスコミ・法曹三者(裁判官・検察官・弁護士)の役割」、第11章「模擬裁判DVDを使用した裁判員裁判の解説」。

編集者には、村下博氏(大阪経済法科大学法学部教授)、山口健一氏(弁護士・同大学客員教授)、岩村等氏(大阪経済法科大学法学部教授)の3氏。村下教授は、よく顔を合わせていたがすでに鬼籍に入られた。奥山教授が「村下君の遺稿となった感じだけど」と言っていたことが読みながら思い出される。

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