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消費税10%について考える

10年07月2日 yoshioka

参議院選挙も中盤。

民主党と自民党の2つの巨大政党とも選挙前に消費税を10%に引き上げると打ち出し、菅首相は国の借金「国債発行額」が国民一人あたり700万円を超えることから将来に借金を回さないために「消費税率を10%」をと、増税なくして財政再建はないかのごとく発言を繰り返した。

しかし、選挙戦に突入してマニフェストをみると第2段ではそのことが消えている。消費税率引き上げについて有権者から「いまでさえ生活が苦しいのに、その上、増税か」との声に危機感をいだき、昨日からは、「年収200万~300万円以下の人には消費税分を還付したい」「生活用品などにはかけないようにしたい」、といっていたかと思うと今日になって「年収400万円以下の人には」とわけのわからないことを言い出した。一見、「還付してくれる」「生活用品にはかけない」というのなら「それは良いことだ」と思われがちだが、「還付するなら最初からトルな」という声が多い。第一年収400万円以下というのは国民の何割になると思っているか。ここまで言ったら消費税そのものが否定されないか。ヨーロッパの高額商品にだけかけられている物品税とまったく違う日本の消費税の問題があらためてみえてくる菅発言。選挙終盤には何が飛び出すやら。

さて、還付するといっても、、、。寝たきりの人の介護用品や子どもが駄菓子屋で買った飴玉にまでついてくる消費税。自動販売機で購入する缶コーヒーなどにもかかっているのだが、どうやって返金してくれるというのだ。領収証もないものも多いはずだが。そこは定率減税のようなもので乗り切るつもりなのだろうか。それともレシートをすべて保管した人にだけとでもいうのか。

ついでにいうと、消費税を「とられる人」と「とられない人」という同じものを買っても不公平を生じることにはならないか。

本来、消費税論議は何度も導入を試みて平成の元号が生まれると同時に「福祉目的」「社会保障・年金」のためと称してやみくもに成立させた経緯がある。しかし、その実、大企業の法人税を引き下げた分の「穴埋め」にほとんど使われたことは周知の事実。そのため、社会保障費も年金も医療費も軒並み下がり続けて今日に至っている。なのに今度も「安定した年金や社会保障のために苦渋の選択として避けてとおれない」と同じことの繰り返しだ。

背景に財界の意向があることは明白。これでは「自民党時代と何が違うのか?」という声が渦巻くのも当然だろう。今度も消費税アップと同時に法人税のさらなる引き下げを国民をだましながらできると踏んでいるのだろうか。

日本の法人税率は高いとか、法人税率を下げなければ日本から大企業が逃げてしまうとか、わけのわからないことをあたかも本当のように言う輩がいるが、それは大きな嘘だ。

日本の法人税率は表向きヨーロッパ・アメリカ並みだが、いくつもの優遇税制と社会保険料の企業負担分も含めて、実質先進諸国の中でもっとも企業負担が低く抑えられている。その分、低賃金で働く私たち労働者が納めているのである。

いまや国民所得がこの10年間下がり続けているのは日本だけ。大儲けして内部留保が200兆円以上なのにまともに税金を納めない巨大企業や大手銀行。これでも庶民からまだ増税して搾り取るつもりなのだろうか。まるで時代劇の悪代官と越後屋なみではないか。

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