第9回えせ同和行為撃退法学習会・佐々木弁護士が講演
09年02月5日 yoshioka
派遣切りや不況等、社会的に混沌とする中で、2月3日、岡山弁護士会・民事介入暴力対策委員会委員長の佐々木基彰弁護士を講師に迎えて、岡山県人権連主催の「第9回えせ同和行為撃退法学習会」がJA岡山ビル7階ホールで開催され150名が参加。
講演に先立つ基調報告で、吉岡昇県人権連事務局長は、派遣切り等にみられる大企業の一方的な人員整理や社会保障の相次ぐ後退など、いままさに人権がないがしろにされていると指摘した上で、人権啓発でも単に「差別しないこと」に落ち着くような狭い意味で人権をとらえないことが重要と強調。また部落問題解決の現状を客観的に把握し、同和利権や「えせ同和行為」など反社会的な行為を許さないために世論を作り出す鍵は、参加者一人ひとりの声に掛かっていると提起。
講演は、佐々木基彰弁護士が「えせ同和等反社会的勢力への対応」と題して、政府の犯罪対策閣僚会議が提出した「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」等、資料や警察・暴追センターと弁護士の役割や関り方を具体的にこまかく説明。佐々木氏は、えせ同和、えせ右翼などだけでなく、今日では、暴力団やクレイマー、モンスターペアレントなど、幅広い分野で問題を抱えている人たちの中で、「○○ガイド」「何とかタイムス」という名前で年間購読料数万円という高額な機関紙購読を断ち切った自治体などの具体的解決方法を紹介しました。
また警察の民事不介入をまちがって理解している人の多いことに触れ、警察、暴追センター、弁護士の活用が重要だと強調。ここでは、弁護士が相談を受けた場合の対処法や暴対法の改正内容なども併せて紹介。さらに暴力団対策に関しては、神戸のホテルが「契約自由の原則」に基づき反社会的勢力との契約を企業側の総合的判断で拒絶した事例などや、クレームや苦情受付時の具体的ポイントを6点にわたって紹介した上で、それでもいざという時の切り替えし対処法なども紹介して講演を終了。会場ではメモする姿も多く、参加者からのアンケートでは、「具体的事例が聞けてよかった。職場でみんなに知らせます。」といった声が多く寄せられました。